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2012-04-02 (Mon)
買ったばかりの明るいベージュの春のブーツ。

一昨日、おろしたばかりなのに
もうあちこち黒い汚れがついてしまってる。

地下鉄で隣に座っていたその人は
眠りの底にぐっすりと沈み込んでいて
不意に下ろした足が隣に座るジブンの靴を踏みつけたことに
全く気付かずにいたんだよ。

沢山の人波にのみこまれ
ジブンがどこへ向かうのかもあやふやになりそうな
そんな東京の地下鉄の中でのありふれた出来事。

踏まれ踏み返し汚され汚し押され押し返しながら
いつの間にか誰かに傷つけられたり
知らぬ間に誰かを傷つけてしまっても
何も感じなくなっていってしまうのかな。
何も分からぬ知らぬを通していくのかな。

言葉に出せば空気はきっと和らぐはずなのに
無言の押し問答を繰り返し、ブーツはだんだん黒ずんでいく。

迷って立ち止まって悩んでいるうちに
小さなキズやシミなんかには無頓着になる。
少しくらいの汚れにいちいち悲しんではいられない。
このブーツのように。

そんなことを思いながら
黒い汚れをぼんやりと眺めていたら

薄暗かった車窓から突然明るい光が飛び込んできた。
頭の中では、あの歌が鳴りだす。

♪電車は長い東京の地下をくぐり抜け 川沿いの景色が顔を見せる

あたたかな光と伸びやかに広がる河原の風景。

その景色を見たくって、ずっとずっと前から見たくって
その景色をみるならば、季節は春がいいなって
良く晴れた日で、時刻は昼下がりだよなって
思い描いていたすべてが揃い、今やっと車中の人になった。

エイプリルフールだけれど、桜はまだ蕾だったけれど
ジブンのキモチは、いつわりのない喜びで満開になる。

隣のその人はまだ眠りこけていた。
よっぽど疲れてるのかな。大丈夫かな。

そっと席を立ち、手摺につかまる。背筋をすっと伸ばす。
投げやりじゃなく、穏やかな気持ちで
ブーツの汚れを見つめているジブンがいた。

河原で遊ぶ親子。野球をする少年たち。
暖かな春の日差し。水の匂いがする風。新緑の輝き。
芽生えたやわらかな気持ちは、この風景が与えてくれたんだね。




急な坂を上ったり下ったりしながら
彼が毎日目にした景色をたどってみた。

駅前の彩色の賑やかさは、あの角を曲がるとしだいに薄れ
手入れの行き届いた家々が並ぶ、豊かで静かな住宅街に変わる。

仰いだ空の青。吹き抜ける春の風。
色濃くなっていく道端の緑。公園で遊ぶ子供達。
太陽はゆっくり西へと傾き、たまご色のやわらかな光がこの町を包んでいる。

そして。
あの鉄塔はまさしく空に手を伸ばすように何本も高くそびえたっていた。
こちらからも、あちらからも、どこからでも、見上げることができる。
この光景に重ね合せた感情が、音楽に生まれ変わっていったんだね。

夕日のオレンジまで見ていたかったけれど
それはいつかまた来た時の楽しみにとっておこう。

少しずつ傾いていく日に照らされながら
またあの電車に揺られて繁華街へと戻る。

20120401b.jpg



初めて訪れたのに、懐かしい風景。
想像していた通りの、温かな風景。
きっとそれは、歌の中にすべてある風景だからだ。

ただ、電車に乗って、歩いて、戻る。
それだけの3時間。

でも。
あの空気に触れられただけでも幸せの極みだよ。




さて。
夜はライブへ向かおう。

山手線のある駅を降りてすぐの小さなライブハウス。
もしかしたら、かつてここで彼も歌ったことがあるかもしれない。
そんな想像はさらに幸せを増幅させてくれた。



おし。
もう踏みつけられたって、汚されたって、全然平気だ。
スタンディングで大いに飛び跳ねよう!盛り上がろう!

ライブライブライブ!!!




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| ♪秦 基博 | COM(0) |
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